2012年10月07日の書評一覧

死体は見世物か 「人体の不思議展」をめぐって [著]末永恵子

死体は見世物か 「人体の不思議展」をめぐって [著]末永恵子

■死者と生者の関係 問い直す  90年代から全国で開催され、話題となった「人体の不思議展」。近くて遠い人体の展示は、多くの観客を動員した。しかし、展示された人体は、特定の誰かの死体である。「その人」………[もっと読む]

[評者]中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史)
[掲載]2012年10月07日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能

正岡子規 [著]ドナルド・キーン

正岡子規 [著]ドナルド・キーン

■詩歌変革した生涯、丁寧に探索  明治が生んだ最大の詩人、正岡子規を描く評伝である。生涯と作品を丁寧に探索していく。筆致は抑制的であるが、考察の跡が選び抜かれた言葉にうかがえ、子規の全体像がよく伝わ………[もっと読む]

[評者]後藤正治(ノンフィクション作家)
[掲載]2012年10月07日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

無声映画のシーン [著]フリオ・リャマサーレス

無声映画のシーン [著]フリオ・リャマサーレス

■写真から甦る 忘れえぬ風景  スペインの作家がある日、北部の一地方の鉱山が閉鎖されることを知る。そこは彼が少年の頃に10年ほど暮らした山間の町でもあった。産業を失った町の末路を知る作家は深い郷愁に………[もっと読む]

[評者]小野正嗣(作家・明治学院大学准教授)
[掲載]2012年10月07日
[ジャンル]人文

千夜千冊番外録 3・11を読む [著]松岡正剛

千夜千冊番外録 3・11を読む [著]松岡正剛

■有機体のような本の記憶の記録  東日本大震災以降じつに多くの本が出た。読んだもの読まなかったもの様々あって混乱してくる。それまで気にとめていなかった本が、急に気になり始めた人も少なくない。膨大な関………[もっと読む]

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)
[掲載]2012年10月07日
[ジャンル]人文 社会

ドビュッシーとの散歩 [著]青柳いづみこ

ドビュッシーとの散歩 [著]青柳いづみこ

 作曲家ドビュッシーの人となりや作品、現代との接点を、約40曲のピアノ作品を窓口につづったエッセー集である。楽器メーカー会員誌での連載をまとめたもので、内容は軽やかで親しみやすい。だが、その一筆書きの………[もっと読む]

[評者]
[掲載]2012年10月07日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

古典として読む『イワンの馬鹿』 [著]法橋和彦

古典として読む『イワンの馬鹿』 [著]法橋和彦

 3人兄弟の仲を裂こうとする、どこか間抜けな悪魔の試みは、農民イワンの絶対的な非暴力の前にすべて失敗する。トルストイのこの民話「イワンの馬鹿」ほど、日本人に読みつがれてきた外国作品はないのでないか、と………[もっと読む]

[評者]
[掲載]2012年10月07日
[ジャンル]歴史 文芸

言語と貧困 負の連鎖の中で生きる世界の言語的マイノリティ [編著]松原好次・山本忠行

言語と貧困 負の連鎖の中で生きる世界の言語的マイノリティ [編著]松原好次・山本忠行

■優勢言語とどう向き合うか  少数派言語の話者は、貧困に陥りやすい。「たかが言葉で?」と思うなら、それは我々が比較的一枚岩の言語環境に恵まれているからだと、本書を読むと思い知らされる。  19世紀、………[もっと読む]

[評者]川端裕人(作家)
[掲載]2012年10月07日
[ジャンル]人文

2050年の世界 英「エコノミスト」誌は予測する [著]英「エコノミスト」編集部

2050年の世界 英「エコノミスト」誌は予測する [著]英「エコノミスト」編集部

■「未来」からみる「現在」の課題  40年後の世界を言い当てることなど、当たるも八卦(はっけ)当たらぬも八卦のたぐいだろう。だが、英エコノミスト誌のダニエル・フランクリン編集長によると「来週や来年を………[もっと読む]

[評者]原真人(本社編集委員)
[掲載]2012年10月07日
[ジャンル]社会

「異端」の伝道者 酒井勝軍 [著]久米晶文

「異端」の伝道者 酒井勝軍 [著]久米晶文

■貧困を哲学に高めた快男児  酒井勝軍(さかいかつとき)と聞いて、「日本のピラミッド」を発見した人物だとピンとくる奇書マニアでなく、そういう方面にまるで関心のない一般読者に読ませたい大冊である。  ………[もっと読む]

[評者]荒俣宏(作家)
[掲載]2012年10月07日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

青い鳥文庫ができるまで [著]岩貞るみこ

青い鳥文庫ができるまで [著]岩貞るみこ

■文字への愛が育む信頼感  「おくれています。このままじゃ、本は出ませんよ。早く書いてください」。咽(のど)から出そうになるこのセリフ。ぐっとのみ込む。作家が必死に書いているのは製品ではなく作品。で………[もっと読む]

[評者]福岡伸一(青山学院大学教授・生物学)
[掲載]2012年10月07日
[ジャンル]文芸

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