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サラリーマン誕生物語 [著]原克

[評者]

[掲載]2011年04月17日

[ジャンル]経済 社会

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 サラリーマンといえば、背広、満員電車、短い昼休み、オフィスでは新しい機械にオロオロ……。近代都市に生きる「サラリーマン」のイメージの原型を昭和初期に求めてタイムトリップ。1936年の、架空の東京の貿易商社員の1日に密着する。特に当時、効率化のために次々と導入されたOA機器に焦点をあてることで、機器との格闘の悲喜こもごも、サラリーマンたちが「人間として」それらにどんな影響を受けたのかが見えてくる。科学雑誌の語り口を分析し、人間そのものも矯正して「効率化」しようとする視線があったことを浮かび上がらせた。「20世紀型知的労働者の苦悩」は、働き方の転換点にある21世紀の私たちにも無縁ではない。

 (講談社・1995円)

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