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空也上人がいた [著]山田太一

[評者]

[掲載]2011年05月22日

[ジャンル]文芸

表紙画像


 著者の19年ぶりの書き下ろし小説。
 特別養護老人ホームのヘルパーを辞めたオレ(27)は、ケアマネジャーの重光さん(46)の紹介で、妻に先立たれた老人(81)の個人的な介護を月25万円で引き受ける。金に不自由していない老人は、重光さんに淡い感情を抱いているが、その思いが奇妙な要求となってオレと重光さんに降りかかってくる。オレも老人も一人暮らし。互いの生活に立ち入りすぎないようにしながらも、それぞれが抱える秘密が静かな日々の中でふと泡立ち、気持ちがぶつかりあう。年が離れた3人のナイーブな関係を時にユーモラスに描く。ドラマをみているように情景が目に浮かんでくる物語。
 (朝日新聞出版・1260円)

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