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はとの神様 [著]関口尚

[評者]

[掲載]2011年06月19日

[ジャンル]文芸

表紙画像


 子どものころ、駄菓子を抱えて秘密基地に走った思い出がある人は多いだろう。この小説には、ささいなことも大冒険だった「あの頃」がこめられている。
 潔癖性の継母となじめない小学5年生のみなとが、記憶力はあるけれど計算の出来ない悟と、1羽のレース用のハトを見つけるところから冒険が始まる。持ち主を探すと、オランダ人と日本人の間に生まれた女の子との出会いが待っている。3人はそれぞれの悲哀を解きほぐす旅に出るのだ。
 その舞台は1986年。著者が中学生の年だ。ハトの姿を通じて、子どものころに感じる苦悩や希望を伝えたい、との気持ちを感じる。2011年の子どもたちにも、分かち合えるはずだ、と。(集英社・1575円)

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