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児童養護施設の子どもたち [著]大久保真紀

[評者]

[掲載]2011年06月19日

[ジャンル]教育 社会 ノンフィクション・評伝

表紙画像


 昨年末来、タイガーマスクの主人公「伊達直人」を名乗る人物が、各地の児童養護施設にランドセルや文房具を贈る“美談”が続いた。アニメの主人公は孤児院出身のプロレスラーだが、昔の孤児院は今、養護施設と呼ばれる。孤児ではなく、親からの虐待などで社会の助けを必要としている子らがほとんどなのだという。その数全国で約3万人。朝日新聞記者である著者は、13年にわたる取材で、施設の子供や虐待をしてしまった母親の肉声を引き出す。虐待を受けた反動で「わざと大人をいらだたせ」ることにたけている子供たちに、どう手をさしのべるか。「待つ」しかないという、単純だが決して簡単ではない結論に、考えさせられる。(高文研・2100円)


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