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内田樹、中沢新一、平川克美「大津波と原発」書評 この国は何をめざすべきか

評者: 朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2011年06月26日
大津波と原発 著者:内田 樹 出版社:朝日新聞出版 ジャンル:社会・時事・政治・行政

ISBN: 9784022508744
発売⽇:
サイズ: 19cm/119p

大津波と原発 [著]内田樹、中沢新一、平川克美

  この惨事に学び、この国は何をめざすべきか。皮相にとどまらず、思想、歴史、宗教を見すえ、本質的に議論しよう。そう考えた3人が、東日本大震災から約3週間後、インターネットで動画配信された番組で語り合った内容に、加筆したものだ。

 いまだ、復興の先頭に立つべき「政治」は混迷を極め、まして福島第一原発がもたらした被害の深刻さは、日々、明らかになるばかりだ。今回の震災は、われわれが頼ってきた「成長神話」と、原発という“クリーン”なエネルギーを使って未来を生きる「エコ幻想」が完全に終わったことを告げるものだという3人の認識は、古びるどころか、さらに重さを増す。さあ、原発をどうする?(朝日新聞出版・777円)