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発達障害は治りますか? [著]神田橋條治ほか/うつ病治療 現場の工夫より [著]岩永竜一郎、神田橋條治

[評者]斎藤環(精神科医)

[掲載]2010年07月11日

[ジャンル]医学・福祉

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■「日本のフロイト」 臨床知の宝庫

 神田橋條治はかつて「日本のフロイト」とも称され、多くの精神科医や臨床心理士のファンを持つカリスマ精神科医である。その著書は臨床知の宝庫だが、カリスマだけに読者を選ぶ。依存心が強すぎる人にはお薦めしない。
 精神分析から出発した神田橋が現在関心を寄せるのは「脳」だ。「機能が(脳の)構造を変える」という確信に基づき、彼は心のありようを身体の側から変えようとする。治療よりリハビリに近いこの発想から「発達障害は発達します」という至言がもたらされた。
 心の病気を「脳の心身症であり、生活習慣病」とみなす神田橋は、薬物治療も積極的に用いる。患者のこだわりやとらわれを解きほぐす彼の言葉は、手品のように逆説的だ。うつ病と発達障害の関係や発達障害におけるフラッシュバックの治療法などは、臨床家にも参考になる。
 プラシーボ(偽薬)効果を最上のものとする神田橋は、整体やサプリメントといった代替療法を否定しない。いずれも患者が自分でできるからだ。そう、神田橋が目指すのは、最終的には“患者の自立”なのである。
 評・斎藤環(精神科医)
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 『発達〜』花風社・2310円 『うつ〜』メディカルレビュー社・1890円

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