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子どものための小さな援助論 [著]鈴木啓嗣

[評者]

[掲載]2011年08月21日

[ジャンル]医学・福祉 社会

表紙画像

 筆者は児童精神科の医院を開業している50代の医師。心のトラブルを抱えた子どもたちに日々接しているバリバリの臨床家である。その人の心に浮かんだ思い——「私の学ぶ専門的な援助方法は、あまりに不自然(あるいは有害)ではないか」。その根っこを掘り下げ考察したのが本書だ。一例として挙げられた、同業者の口から漏れる「もう少し早くここに来ていたら……」という「無敵ワード」の毒は恐ろしい。
 発達障害や摂食障害、不登校の子らとの一筋縄ではいかない関係を語り、「自立」「社会参加」の隆盛に疑問を投げる。援助の概念を通じた社会批評の書としても読め、介護や被災者支援の場にも、おのずと思いが及ぶ。(日本評論社・1890円)

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