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3・11の未来 日本・SF・創造力 [監修]笠井潔、巽孝之

[評者]

[掲載]2011年10月09日

[ジャンル]文芸

表紙画像

 科学を視野に入れながら、想像力の限りを尽くし、ありえるはずの未来や大災禍を描いてきた日本のSF作家にとって、東日本大震災の被害は簡単に「想定外」とは、語れない。小松左京が震災後に書いた「3・11以降の未来へ」を序文に掲げる本書は、日本を代表する多くのSF作家や評論家の座談会や文章で、この問題に真正面から向き合っている。
 それは、戦後日本SFの総点検であり、また、原子力の明るい未来をうたう「鉄腕アトム」と水爆実験でよみがえった「ゴジラ」の双方を愛した被爆国の戦後の優れた検証にもなっている。今、問われるのは、SF作家のみならず、我々の「想像力」のあり方ではないか。
    ◇
 作品社・1890円

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