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職業は武装解除 [著]瀬谷ルミ子

[評者]松永美穂(早稲田大学教授・ドイツ文学)

[掲載]2011年11月06日

[ジャンル]ノンフィクション・評伝 国際

表紙画像

■日本人だからこそできる貢献

 紛争解決学、あるいは平和構築学という言葉をしばらく前から耳にするようになった。紛争地域に平和な日常を再構築するための理論や実践が、いま注目を集めている。国連がPKOを派遣したり、諸団体がさまざまなレベルの活動を行ったり。武力による戦いを終結させてから、兵士の武装解除、人々の生活再建、自立の手助けなど、やるべき仕事は実に多岐にわたる。
 本書の著者はそんな現場で活躍する女性だ。30代前半の若さながら、世界でも数少ない武装解除の専門家。高校3年生の時に見た一枚の写真がこの道に進むきっかけになったという。進路を切り開いていった学生時代のこと、これまでに関わった地域(アフガニスタン、ルワンダやソマリアなど)での具体的な活動報告、種々のエピソード、と内容は盛りだくさんで、興味は尽きない。紛争地域では、日本人だからこそできる貢献がたくさんある、と著者は書く。志の高さと行動力に敬服。若い人にぜひ勧めたい一冊だ。
    ◇
 朝日新聞出版・1470円

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