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「ぼくはお金を使わずに生きることにした」書評 金なし生活は豊かに暮らせる

評者: 朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2011年12月18日
ぼくはお金を使わずに生きることにした 著者:マーク・ボイル 出版社:紀伊國屋書店 ジャンル:小説・文学

ISBN: 9784314010870
発売⽇: 2011/11/01
サイズ: 19cm/286p

ぼくはお金を使わずに生きることにした [著]マーク・ボイル

 イギリスに住むアイルランド出身の若者が、2008年11月から1年間の金なし生活をつづった。「金持ちでなくても環境に配慮した生活を送ることができるというのを証明する」のが目的だ。無料で譲り受けたトレーラーハウスに住み、移動は自転車。照明や暖房、調理、通信に使うエネルギーは自力で作る。食料は自然界で採取したり、「ゴミ箱あさり」で調達したり。体調を崩したことも、恋人との別離もあったが、常に前向きに自給自足を実践する。
 数々の創意工夫を読んでいると、金なし生活は「何とか生きられるどころか、豊かに暮らせる」ことだと分かる。「一番大切なことは何か」を考えさせられる。
    ◇
 吉田奈緒子訳、紀伊国屋書店・1785円