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それでも三月は、また [著]谷川俊太郎・多和田葉子ほか

[評者]

[掲載]2012年03月11日

[ジャンル]文芸

表紙画像

 あの地震と津波、そして原発事故があった日本で、作家は何を語るのか。そんな海外からの声に17人が創作で応え、日英米で同時刊行した。
 重松清「おまじない」は、かつて東北の海辺に暮らした女性を描く。友だちは、生きているのか——。彼女はある場面に遭遇して、自分が、友人が、町で息づいていることに気づく。
 日本に帰国できない未来をSFにした多和田葉子、家を流された友人の声を届けた佐伯一麦、物語にしようのない感情を吐露した小川洋子。戦後文学のような「震災文学」があるなら、それぞれの体験や想いがどれも同じではないと知るところから始まるのかもしれない。
    ◇
 講談社・1680円

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