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内澤旬子「飼い喰い 三匹の豚とわたし」書評 畜産と私たちの現在

評者: 朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2012年04月08日
飼い喰い 三匹の豚とわたし 著者:内澤 旬子 出版社:岩波書店 ジャンル:技術・工学・農学

ISBN: 9784000258364
発売⽇:
サイズ: 20cm/306p

飼い喰い 三匹の豚とわたし [著]内澤旬子

 世界各地の屠畜(とちく)を取材してきた著者が、3匹の豚を飼い育て、肉にして食べるまでの1年間をたどったドキュメント。千葉県の居酒屋跡の建物を改造して飼い始める。豚に名前をつけ、ペットのようにかわいがる。やがて、殺すことにためらいはないけれど、3匹との関係が切れるのは惜しい、出産をさせてみたい――そんな複雑な気持ちが生まれてくる。
 最後、屠畜した肉を焼いて口に入れたとき、「帰って来てくれた」という奇妙な感覚にとらわれる。
 千匹単位で飼育する、現代の大規模養豚農家や飼料会社も取材するなど、畜産と私たちの現在を問い直す。
    ◇
 岩波書店・1995円