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岸本葉子『「そこそこ」でいきましょう』書評 一日を慈しむように過ごす日常

評者: 朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2012年06月24日
「そこそこ」でいきましょう (中公文庫) 著者:岸本 葉子 出版社:中央公論新社 ジャンル:一般

ISBN: 9784122060920
発売⽇: 2015/03/23
サイズ: 16cm/221p

「そこそこ」でいきましょう [著]岸本葉子

 〈ペースを緩めることを、このところしています〉〈平均寿命を基準にすると、まぎれもなく後半。今までと同じでは無理だし不自然〉。友人に触発されて始めたスローペースで走る「ゆっくりラン」、高齢の父の散歩にお供する中で出会った人や犬、震災後に整理しようと決意した「器」について……。50代になった著者が、一日一日を慈しむように過ごす日常をつづったエッセー。数年前から始めた句作については、歳時記はどれを選べばいいか、句集はどれを買えばいいかなどと悩むところから、初めての吟行で感じた「壁」や初めての句会体験まで、ユーモアを交えてたっぷり書かれていて、楽しい俳句入門エッセーの趣も。
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中央公論新社・1575円