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暴走する地方自治 [著]田村秀

[評者]

[掲載]2012年07月08日

[ジャンル]社会

表紙画像

 近ごろ、改革派首長が勇ましい。硬直化した統治機構の変革を訴えて高い支持率を集め、国政の行方すら左右しかねない勢いだ。本書は、彼らの掲げる政策を歴史的、国際的に検証し、矛盾点を明らかにする。橋下徹大阪市長が掲げる大阪都構想は、道州制が前提なら「大阪を破壊する一里塚」と喝破し、河村たかし名古屋市長の中京都構想は「名古屋さえよければいいという地域エゴ」と一蹴する。
 地方自治に関する著者の提言はかなり控えめで、目新しさもない。だが、この歯切れの悪さこそが改革派首長に対する最大のアンチテーゼだろう。論点は、そんなに簡単に単純化できるようなものではない、という意味の。
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ちくま新書・819円

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