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たかが英語! [著]三木谷浩史

[評者]原真人(本社編集委員)

[掲載]2012年08月12日

[ジャンル]人文

表紙画像

■社内公用語 楽天の大実験

 英語上達のノウハウを盛り込んだ本は世にあふれている。だが社内公用語を英語にして、その能力を出世や採用の条件にまでしてしまった企業の大実験の顛末(てんまつ)を書いた本は、おそらく初めてだ。
 日本を代表するIT企業、楽天。創業社長の三木谷の目標は「世界一のインターネットサービス企業になる」。そのために2年前、社内公用語を英語にすると宣言した。
 英語が苦手なほとんどの社員たちはパニックに陥る。本社界隈(かいわい)の英会話教室はすぐに満員になり、会議は議論が進まない。だが効用もあった。優秀な外国人が採用しやすくなり、海外企業の買収もうまくいくようになったのだ。
 この本は、英語を学ぼうとする人々への啓蒙(けいもう)書ではないし、英語公用語化のような大胆な決断が難しいサラリーマン社長への指南書にもならない。まして日本経済復活論とも違う。あえて言えば、「世界一」をめざす経営者の、その本気度を示したマニフェストなのであろう。
    ◇
 講談社・1050円

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