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ドビュッシーとの散歩 [著]青柳いづみこ

[評者]

[掲載]2012年10月07日

[ジャンル]ノンフィクション・評伝

表紙画像

 作曲家ドビュッシーの人となりや作品、現代との接点を、約40曲のピアノ作品を窓口につづったエッセー集である。楽器メーカー会員誌での連載をまとめたもので、内容は軽やかで親しみやすい。だが、その一筆書きのような持ち味は、ピアニストであり文筆家でもある筆者の真骨頂だ。演奏法や解釈のツボを、楽理の隘路(あいろ)に潜らずさらりと記す。演劇、美術から現代日本のポップスとの関連まで、音楽を社会の文脈でとらえる視点が、作品の新たな切り口を際だたせる。ドビュッシーが目指したものは、東洋的な美意識をよりどころにした「平面的な音楽」で、西洋人よりも東洋人の感性にぴったりはまるという指摘は、重みがある。
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中央公論新社・1470円

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