書評・最新書評

和牛詐欺 人を騙す犯罪はなぜなくならないのか [著]斉藤友彦

[評者]

[掲載]2012年10月21日

[ジャンル]経済 ノンフィクション・評伝

表紙画像

 マネー雑誌や節約雑誌には、長きにわたって「安愚楽牧場」の広告が掲載されていた。金融商品がリスキーなマネーゲームと化していく中で「安愚楽」のシステムは、懐かしい実体経済の色合いを残し異彩を放った。出資者は、実在の牧場で草をはむ母牛の飼い主となる。配当として牛肉が贈られるコースもあった。泥と草いきれの匂い。黒い巨躯(きょく)の手応えと体温。だが、その実体感こそが、負債総額4300億円、被害者7万人という戦後最大の消費者被害事件を生み出す基ともなった。
 共同通信記者の著者は「安全で有利」の看板の裏で金集めに追われた「安愚楽」の“虚業”ぶりを、さまざまな証言を集めてあぶり出していく。
    ◇
講談社・1365円



関連記事

ページトップへ戻る