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電波・電影・電視 [編著]三澤真美恵・川島真・佐藤卓己

[評者]山形浩生(評論家)

[掲載]2012年12月02日

[ジャンル]社会

表紙画像

■興奮とともに読むメディア史

 テレビ、ラジオ、映画、レコードなどのメディアは、技術、政治プロパガンダ、商業など多様な思惑を受けて発展してきた。本書はその20世紀東アジア各国での動向をまとめた興味深い論文集だ。
 独自規格を狙う1950年代NHKの楽しいプロパガンダや「教育」テレビの意義から、中国国民党政府の音楽検閲、各国でのナショナリズム高揚を狙ったメディア育成政策、果ては北朝鮮でのテレビ草創期など、扱う話題は実に多種多様。各国の横並び比較分析ではないが、各国の大きな差を考えれば無理もない。意外に見ないテレビ研究の充実も嬉(うれ)しい。
 歴史をたどるだけで変わった事実が次々に現れ、執筆した東アジア各地の研究者たちの興奮が端々にうかがえる。国の科学研究費を投入した成果は十分。各国の相互影響やネット以降の動向も含め、今後まだまだ掘る余地のありそうな分野で、空論哲学に偏らない堅実なメディア論として続きも期待したい。
    ◇
 青弓社・3990円

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