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スワ氏文集 [著]諏訪哲史

[評者]

[掲載]2013年01月13日

[ジャンル]文芸

表紙画像

 あるときは、みやあみやあとした名古屋弁で、またあるときはでたらめな漢文古文を繰りだして、なんとも自由奔放な文体で「どうでもいい事がら」をつづってゆく。芥川賞作家による本紙名古屋本社版の連載エッセー。東京開催の次は京都、美術展のナゴヤ飛ばし問題。ずれ落ちてくるマスクを手を使わず顔の筋肉で持ち上げるワザ。マフィンはなぜ紙まで食べてしまうのか。東海3県はどこが一番かをめぐる戦争……。「世の中にある、なるべく無意味な物事をこそ主題に選び、死力を尽くして書くべし」。著者の恩師である故種村季弘の教えを守りつつ、震災後の日本から感じ取るごまかしには、嫌悪をまっすぐつきつける。
    ◇
講談社・1575円

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