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中国台頭の終焉 [著]津上俊哉

[評者]原真人(本社編集委員)

[掲載]2013年03月03日

[ジャンル]経済 国際

表紙画像

■「世界一」になる日は来ない?

 リーマン・ショック後、巨額の財政出動で危機をしのぎ世界経済の主要プレーヤーに躍り出た中国。国内総生産で日本を抜き去ったが、10年以内に米国も逆転する、というのが国際的な大方の見方だ。
 経済産業省出身の中国ウオッチャーの手による本書は、おそらく初めてその「常識」を覆す本となる。中国が経済規模で米国を抜く日はやって来ない、というのだ。
 根拠として、国有企業の非効率、地方財政の闇、迫り来る超高齢化などの悲観的なデータが詳しく説明される。
 ただ著者はそこに希望も見いだす。現在の日中対立の背景には「世界一の経済大国」を見据えて傲慢(ごうまん)になった中国と、その中国巨大化に底知れぬ恐怖を抱く日本という構図がある。だから双方が中国経済の真実を知れば、互いの経済を傷つけあっている余裕はないと知るはずだ、と。
 中国という巨大な国家・市場に関心をもつすべての人、とくに日中両政府の関係者にぜひ読んでほしい本だ。
    ◇
 日経プレミアシリーズ・935円

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