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植物はそこまで知っている [著]ダニエル・チャモヴィッツ

[評者]

[掲載]2013年06月09日

[ジャンル]科学・生物

表紙画像

 植物は人が近づいて来るのを「見ている」。さらに、葉をちぎられたことを「記憶する」という。想像以上に発達している植物の感覚について、生物学者が研究成果を踏まえて解説する一冊。
 仲間が虫に食われると、においを「嗅ぐ」ことで察知して、身を守る化学物質を出す木もある。となると、そこに「痛み」や「感情」の存在を考えたくなるのが人情だ。ただ、著者は「植物は苦しまない。脳がないのだから」とクギを刺す。
 植物と私たちは、20億年前に枝分かれして進化してきたという。遠い遠い「親戚」が、どんな世界を見て感じているのか、想像してみるのも楽しい。
    ◇
 矢野真千子訳、河出書房新社・1680円

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