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性欲の研究―エロティック・アジア [編]井上章一

[評者]

[掲載]2013年06月30日

[ジャンル]社会

表紙画像

 編者と鹿島茂による巻頭対談で、オタクの元祖として名挙げされたプルースト。『失われた時を求めて』に登場する、眠る少女を思うさま観察するイメージは川端康成の中で『眠れる美女』に結実し、コロンビアに飛び火して、ノーベル賞作家ガルシアマルケス『わが悲しき娼婦(しょうふ)たちの思い出』を生むに至る。性欲は時代も国境も貫いて突き進む。社会的には肩身が狭くなる一方の性欲だが、これを文化波及のカギとみる研究者たちによる論文とコラム集。清代中国の美少年「相公(シャンコン)」についての論考があり、性器やおっぱい、ストリップやオナニーの研究が並ぶ。ただし、エロチシズムをかき立てる本ではありません、たぶん。
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 平凡社・1890円

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