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黒船来航―日本語が動く [著]清水康行

[評者]

[掲載]2013年07月14日

[ジャンル]歴史

表紙画像

 幕末、諸外国との外交交渉に臨んだ日本。近代西洋の論理に直面し、条約文をまとめる際には新たな単語や構文法を開発しなければならない場面もあった。「日米和親条約」などの文章を分析しながら、通訳らの苦闘を追う。例えば入り組んだ仮定的な条件を含む文章は、それまで公文書で使われていた「候文」では表現しにくく、「〜すべし」という「べし文」に代わっていく。漢文も使われなくなる。それらは次代の日本語を生み出す過程でもあった。
 誤訳のエピソード、「条約」という語の用法の変遷や、当初共通語として使われていたオランダ語がフランス語にとって代わっていく経緯にも触れている。
    ◇
 岩波書店・1680円

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