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本屋図鑑 [著]得地直美・本屋図鑑編集部

[評者]

[掲載]2013年09月01日

[ジャンル]文芸

表紙画像

 この10年で3割減った街の書店。47都道府県の約70店を取材し、その存在を見つめ直した労作だ。素朴な描線のイラスト付き。荒尾成文堂(和歌山県新宮市)は高校生の中上健次がツケで買っていたゆかりの店。本の店英進堂(新潟市)は漫画家高野文子の郷里にあり、著書に特製の帯がかかる。
 言ってしまえば、本は量産品だ。その書店でしか買えない本などないのに、書店員の手で並べられた棚には無二の個性が立ちあらわれる不思議。床面積の物理的制約が、かえって特徴を際だたせる。ちくさ正文館本店(名古屋市)店長の「自分の好みで本を置いているわけではない。置くべき本を置いている」という言葉が胸に響く。
    ◇
夏葉社・1785円

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