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「クロスロード・オキナワ」書評 世界の十字路としての沖縄

評者: 朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2013年10月06日
クロスロード・オキナワ 世界から見た沖縄、沖縄から見た世界 著者:鎌倉 英也 出版社:NHK出版 ジャンル:歴史・地理・民俗

ISBN: 9784140816004
発売⽇:
サイズ: 20cm/348p

クロスロード・オキナワ [著]鎌倉英也、宮本康宏

 NHKディレクターが取材をもとに、日本と世界の十字路としての沖縄を描いた。
 日本が世界史の荒波にもまれる時、その交点にある沖縄は、本土のかわりに多くの矛盾や犠牲を引き受けてきた。黒船のペリーは幕府が開国交渉を拒んだ場合、琉球を占領する準備をしていた。沖縄戦では、本土防衛のための凄惨(せいさん)な持久戦を強いられた。戦後は日米安保による米軍基地が集中して今にいたる。
 本書では触れていないが、人類学の研究によると、独立国であった琉球王国をつくった琉球人は、在来人と本土からの移住者が交じり合って形成されたという。血と歴史を分かち合う私たちの沖縄を知るための一冊だ。
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 NHK出版・2310円