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「石田千作文集 きつねの遠足」書評 「朝日俳壇」の舞台裏も

評者: 朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2013年11月03日
きつねの遠足 石田千作文集 著者:石田 千 出版社:幻戯書房 ジャンル:エッセイ・自伝・ノンフィクション

ISBN: 9784864880312
発売⽇:
サイズ: 20cm/277p

石田千作文集 きつねの遠足 [著]石田千

 45年の人生の、さまざまな場面で出合った人や本、何げない情景に対する思いが、67編の短い文章でつづられている。エッセー集ではなく、あえて作文集と名づけた。
 「選句の神殿」がおもしろい。「朝日俳壇」の選句会に朝9時から夕方4時すぎまで同席し、4人の選者が約6千通のはがきのなかからそれぞれ10句ずつ選びだす様子が、生き生きと描かれる。「いい句は、飛び込んでくる感じがするの」と稲畑汀子さん。「教えてやろうという選句もあるが、押しつけがましくいうひとは、だめだね」と金子兜太さん。選者のしぐさや句作の信条などが、みごとに切りとられている。石田千の目と耳は、やっぱりすごい。
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 幻戯書房・2310円