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星野博美「戸越銀座でつかまえて」書評 日々は発見と驚きの連続

評者: 朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2013年11月03日
戸越銀座でつかまえて 著者:星野 博美 出版社:朝日新聞出版 ジャンル:エッセイ・自伝・ノンフィクション

ISBN: 9784022510464
発売⽇:
サイズ: 19cm/273p

戸越銀座でつかまえて [著]星野博美

 「戸越銀座」とは、東京都品川区にある商店街。著者のふるさとであり、下町の雰囲気がある。地元を離れて約20年ぶりに実家に戻り、「再デビュー」したふるさと……。故郷に暮らしながら大都会での生活をしたい著者は、かつて香港や中国で暮らした時のように、緊張感を持とうと心がけるが、その意識と、どこかゆるい「戸越」がずれてトホホな脱力を誘ったり、かと思うと妙に共振して意気盛んになったり。日々は発見と驚きの連続。日常と冒険が地続きにある著者ならではの新鮮なまなざしが、よく知ったはずのふるさとと、自分をも洗い直す。「自由」であろうとする著者の闘いは、両親と暮らしていても真剣なのだ。
    ◇
 朝日新聞出版・1575円