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変り兜―戦国のCOOL DESIGN [著]橋本麻里

[評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化)

[掲載]2013年11月17日

[ジャンル]歴史

表紙画像

■日本人のデザイン感覚はすごい

 とにかく、何はともあれ見て欲しい。日本人のデザイン感覚を改めて「すごい!」と思うはずだ。
 兜(かぶと)や甲冑(かっちゅう)は今までも博物館で見ることができた。しかし問題は見せ方である。本書には「ロボットアニメやSF映画のデザインソース?」という章がある。欧米の日本美術研究者は兜や甲冑に注目してきた。私はそれを不思議な思いで見ていたことがあるが、彼らのまなざしに映った驚愕(きょうがく)のデザインは、実際に映画その他に応用された。
 黒、赤、金の目覚めるような色、そして鹿=写真=、兎(うさぎ)、昆虫、鳥、植物、カニや貝などの迫力からは、当時の日本人が「自然」の力をどう感じ、それをどう自らに取り込もうとしたか、その自然観がはっきり分かる。兜からは戦争ばかりではなく、日本人と自然の関係を読み取るべきなのだ。
    ◇
 新潮社とんぼの本・1680円

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