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フラクタリスト―マンデルブロ自伝 [著]ベノワ・B・マンデルブロ

[評者]

[掲載]2013年12月01日

[ジャンル]科学・生物

表紙画像

 一見、無秩序に見える自然をとらえる幾何学。逆に、簡単な数式が複雑で不思議な図形を描く——フラクタル理論を「発見」したのがマンデルブロだ。1924年、ポーランド生まれのユダヤ人。ナチの手を逃れる青年期までの足跡もスリリングだが、才能を開花させる歩みも独自。パリ最難関の高等師範学校を1日でやめて理工科学校へ転校するのだから。その後も決して純粋エリートではない道をたどる。しかし、数学や物理学のみならず言語学や芸術、経済学にも広く及んだ影響は、我々の生活にも思いがけず密接に関係している。数多くのスター科学者も登場。2010年に亡くなった。人生も研究も、めくるめく一代記だ。
    ◇
 田沢恭子訳、早川書房・2940円

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