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自殺 [著]末井昭

[評者]

[掲載]2013年12月22日

[ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝

表紙画像

 小学生にして母をダイナマイト心中で失った著者のつづる、人の生き死にをめぐるエッセー。といっても、そこは「写真時代」「パチンコ必勝ガイド」を世に送った鬼才編集者、エロや幽霊や神さまが登場し、自身の不倫や前妻との愁嘆場が、これでもかとばかり書いてある。先物取引での失態もやけくその裸歩きも、欲も得も借金も、オールさらけ出しだ。死を考えているあなた、「感性が鋭くて、それゆえに生きづらい人」がいなくなると、世の中が世渡り上手で厚顔な「世間サマ」だらけになっちゃうという、正直な著者の、わがままな嘆きに耳を傾けてほしい、そして、どん底にいるダメな自分の面白さ愛らしさに、この本で気づいて。
     ◇
 朝日出版社・1680円

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