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物語 岩波書店百年史1~3 [著]紅野謙介・佐藤卓己・苅部直

[評者]

[掲載]2014年01月19日

[ジャンル]歴史

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 昨年創業100年を迎えた老舗出版社の歴史は、「教養」をめぐる近代日本史でもある。岩波文庫の創刊(1927年)は、教養をだれでも手にできるものにした(1巻・紅野著「『教養』の誕生」)。「岩波講座」(28年)は学術出版社としての地位を確固たるものにし、38年には「現代人の現代的教養」を掲げた岩波新書が創刊された。講談社文化と岩波文化は、大衆文化と高級文化として対立するのではなく、むしろ補完しあっていた(2巻・佐藤著「『教育』の時代」)。60年代末の大学紛争を経て、大学の大衆化とともに「教養」は変容し、様々な模索が現在まで続く(3巻・苅部著「『戦後』から離れて」)。
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 岩波書店・1・3巻2310円、2巻2520円



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