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日本語に生まれて 世界の本屋さんで考えたこと [著]中村和恵

[評者]

[掲載]2014年01月26日

[ジャンル]社会 国際

表紙画像

 ドミニカ島の雑貨店兼本販売所、南太平洋諸島、インド、オーストラリア、エストニア……世界の周縁を「本屋さんはどこですか」と聞きながら歩き回った。それは日本語を問い直す旅でもあった。
 大量の外国語書籍が母語に翻訳され、家でも大学でも、本も学問も母語だけで何とかなる日本は、世界を見渡すと、実は当たり前ではない。著者は「第三世界」出身の人々に、「どうして日本人はそんなにうまく(近代化を)やれたんだ。おれたちはできなかった」と聞かれるという。電子書籍、本屋の未来——世界を歩きながらも、日本の言語文化に「妙な未練のような感情を抱えてしまった」著者が、やわらかな言葉でつづる旅。
    ◇
 岩波書店・1995円

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