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日本の社会主義―原爆反対・原発推進の論理 [著]加藤哲郎

[評者]

[掲載]2014年02月16日

[ジャンル]社会

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 日本の社会主義を1世紀前の草創期から冷静に描きつつ、本質的な問題点として敗戦後の原子力政策への対応を追究した。それを一言でまとめると副題となる。被爆国日本で原発を推進したのは保守陣営だけでなく、社会主義陣営でもあった。
 社会主義史をこの視角で描いたのは、福島第一原子力発電所の事故で「足元から揺さぶられた」からという。読ませどころは論理構築の主役だった物理学者・武谷三男の派手で無責任さも漂う言動の跡付けだ。だが、後に武谷が原発反対に回っても、科学技術と生産力を重視する社会主義陣営の大勢は変わらなかった。そして、社会主義が政治的に衰退した今も、その論理は広く残っている。
    ◇
 岩波現代全書・2415円



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