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科学をいまどう語るか―啓蒙から批評へ [著]尾関章

[評者]

[掲載]2014年02月23日

[ジャンル]科学・生物 社会

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 朝日新聞で科学分野の社説や記事を長く書いてきた元記者が、戦後日本の科学ジャーナリズムの歩みをたどった。きっかけは重大な被害をもたらした福島第一原発事故。だが省みるべき問題は、より深いところで科学報道全般に根をはってきたと自戒する。科学とは人々の生命観や倫理観を押し広げ世界像を塗り替える作業なのに、ニュース判断では実用性が問われ、あるいは「夢とロマン」「ノーベル賞」が切り札になってきた。どんな最前線の研究でも社会的議論が欠かせない今、科学ジャーナリズムは読者にやさしくかみ砕く「啓蒙(けいもう)型」を超え、近未来の社会像を先取りしてみせる「批評型」に脱皮せよ、と説く。
    ◇
 岩波現代全書・2205円

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