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美術は地域をひらく―大地の芸術祭10の思想 [著]北川フラム

[評者]

[掲載]2014年03月02日

[ジャンル]アート・ファッション・芸能

表紙画像

 著者は、新潟県南部、昔の妻有郷などで開かれてきた「大地の芸術祭」を手がける美術ディレクター。最初は役所からも住民からも「現代美術なんか」という反発が強かった。それが人と人がぶつかり、作品が形になることで変わる。完成が危うかった古郡弘の土塀アートは地元民総出で手伝った。「50日だけ」で許可を得た國安孝昌の〈竜神〉は長く残すべく住民が作り直した。やがて芸術祭は多くの観客を集める越後名物となる。アートと風土が織りなす世界は激しく美しい。時にニヤリと笑える。と同時に、喪失感も覚える。高齢化と衰退に悩む山村が、あるがままの姿で輝いていた時もあった。あの日はどこへいってしまったのか、と。
    ◇
 現代企画室・2625円


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