野武士のごとき剛健なる豆腐
評者: 朝日新聞読書面
/ 朝⽇新聞掲載:2014年03月02日
「沖縄シマ豆腐」物語
著者:林 真司
出版社:潮出版社
ジャンル:暮らし・実用
ISBN: 9784267019685
発売⽇:
サイズ: 19cm/222p
■ 「沖縄シマ豆腐」物語 [著]林真司
「野武士のごとき剛健なる豆腐である」。民俗学者柳田国男は沖縄の郷土食、島豆腐をそう評したそうな。何しろ1丁1キロ。本土の豆腐の3倍近くて、持ち重りずっしり。大豆をすり潰した汁を煮る前に、生の状態でしぼるなど作り方も違う。炒め物の豆腐チャンプルーにはこっちでないと、絹ごしではいかにも頼りない。
本土と中国、東南アジアの十字路である沖縄に生まれた島豆腐。その歴史を文明の交流史として描き出した。
地元の人はできたての「あちこーこー(熱々)」にこだわる。豆腐店からスーパーへ、届いた端から飛ぶように売れていくという。未体験のあちこーこー、想像しただけでおなかが鳴る。
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潮出版社・1470円