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博物館のファントム 箕作博士のミステリ標本室 [編]伊与原新

[評者]

[掲載]2014年03月09日

[ジャンル]文芸

表紙画像

 国立自然史博物館に勤め始めた池之端環は、生き物オンチでコンピューターオタクで片付け魔。大正期に建った赤れんがの収蔵庫の整理中、オペラ座ならぬ「標本収蔵室のファントム」と呼ばれる箕作類(みつくり・るい)に「どんなものでも絶対に捨ててはならない」と一喝される。箕作は自ら「博物学者」と称し、博物館に起きる事件を驚異的な博識で解決していく。宮沢賢治が詩に詠んだ鉱物が次々と消える謎、新種の植物標本が隠されていたのはなぜ?
 博物館が偽物の化石を買わされたのだろうか……変人と新人の探偵コンビによる人が死なないミステリー短編集。ストーリーに付随して披露される博物ウンチクの数々が楽しい。
    ◇
 集英社・1575円


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