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田原詩集 [著]田原

[評者]

[掲載]2014年04月20日

[ジャンル]文芸

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 愛称はでんげんさん。中国河南省生まれの詩人田原(ティエンユアン)は、谷川俊太郎の詩を通して日本語に目ざめ、日本語で詩作をつづける。十数年にわたる詩業が205冊目の現代詩文庫にまとまった。最もよく知られる作品は、中国の四川大地震の後に書かれた「堰(せ)き止め湖」だろう。大地が千年に一度の大暴れをした後、突然現れた反逆者=堰き止め湖に、万感の思いをこめ、「お前は天と高さを競おうというのか」と語りかける。
 H氏賞詩集『石の記憶』に、「中国語は硬の中に軟がある。……日本語は柔の中に剛がある」と記す。漢字やひらがな、カタカナ、ローマ字を自在に使いわける日本語に開放感を見いだし、母語の閉鎖性が解放される気がしたという。(思潮社・1404円)




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