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「アイドル」の読み方―混乱する「語り」を問う [著]香月孝史

[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)

[掲載]2014年05月11日

[ジャンル]アート・ファッション・芸能

表紙画像

■「饗宴の場」という新しい定義

 昨今はAKB48をはじめとするアイドル全盛の世である。だが、このアイドルという存在。論者によって、微妙に解釈がずれる。だから、畏(おそ)れ多くも菩薩(ぼさつ)に比される山口百恵、かしこくもキリストを超えたとの評がある前田敦子。どちらが真のアイドルか、という議論は白熱するが、決着を見ることがない。そこで新進気鋭の文化社会学者である著者は思い立った。アイドルとは何かを、微に入り細に入り、徹底的に考えてみよう。みんなの議論の土俵を、整えてあげようじゃないの。
 小難しく考えるなよ。所詮(しょせん)はあれだ、ちゃらちゃらかわいくて、歌って踊るヤツでしょう。いや、それではダメなのだ。今はテレビがアイドルであることを保証してくれる時代ではなくなったから。
 著者の行き着いたアイドルの新しい定義とは、「饗宴(きょうえん)の場」であること。……? 人ではなく場って何のこと? それは読んでのお楽しみ。さあ、本書で予習して、大いにアイドルを語ろう!
    ◇
 青弓社・1728円

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