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白夜の忌―三浦哲郎と私 [著]竹岡準之助

[評者]

[掲載]2014年05月18日

[ジャンル]ノンフィクション・評伝

表紙画像

 私(わたくし)小説をきわめた作家三浦哲郎(てつお)が逝って4年。大学で一緒に同人誌「非情」を創刊した著者は、半世紀に及ぶ交流を哀切な文章でつづる。三浦によって文学への目を開かれたといい、畏友(いゆう)を文学の鬼と呼ぶ。
 三浦が「忍ぶ川」で芥川賞を受賞するまでに著者にあてた書簡約120通の一部が紹介されている。「好きなんです、好きなんです。なんべん言っても、百万べん言っても、もう手ばなしで、わめいて、けれども、ちっとも恥(はずか)しくない」。「忍ぶ川」のヒロイン志乃(しの)のモデルとなった徳子夫人に実際に書いた恋文の一節らしいこんな文面まで、三浦は赤裸々に著者に明かした。三浦文学を読み解くうえで、貴重な手がかりとなる随筆集。
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 (幻戯書房・2376円)



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