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家永三郎生誕100年——憲法・歴史学・教科書裁判 [編]家永三郎生誕100年記念実行委員会

[評者]

[掲載]2014年06月01日

[ジャンル]歴史

表紙画像

 日本史や思想史の分野で多大な業績を残し、教科書裁判を32年間闘った歴史家・家永三郎(1913〜2002)。その学問・思想や行動の、今日的意義を考える文集だ。
 戦時中の家永は『日本思想史に於(お)ける否定の論理の発達』などで、「時勢」と異なる日本文化像を描き出した。それが戦後、「戦争を止める努力」をせず「傍観した」との罪の意識を生み、教科書を作ることと戦争を考えることに向かう。その使命感ゆえ「表現の自由」への国家の介入に屈服できなかったのが訴訟の原点だと、鹿野政直・早大名誉教授はみる。「かちまけは さもあらばあれ たましひの 自由をもとめ われはたたかふ」という家永の歌に思いが集約されている。
    ◇
(日本評論社・1080円)


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