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トップ記事は、月に人類発見!―十九世紀、アメリカ新聞戦争 [著]マシュー・グッドマン

[評者]

[掲載]2014年06月08日

[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

表紙画像

 1833年当時、ニューヨークでも新聞の購読は上流階級のぜいたくで、最も売れる新聞の発行部数は4500部だったという。それをわずか数年でひとケタ跳ね上げたのは、超高性能の望遠鏡によって月に知的な「ヒトコウモリ」が見つかったという、サン紙の壮大な虚報だった。
 あっぱれな大ボラの主が、一方では、「ワシントンの乳母と称する160歳超の女性、実は……」と暴きもし、人種差別問題に敢然と立ち向かいもする。虚実のはざまで筆をふるい、新聞を大衆のものにした人々が繰り広げる暴走・迷走の実録ドラマを、膨大な資料から紡ぎあげた筆者の労力にも驚かされる。
    ◇
(杉田七重訳、柏書房・2916円)


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