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うわさとは何か [著]松田美佐

[評者]

[掲載]2014年06月22日

[ジャンル]新書

表紙画像

 「古くて新しいメディア——うわさ」を関東大震災時の「朝鮮人来襲」説から東日本大震災時の買いだめ騒動など、事例に即して解剖していく。さらには、「口裂け女」などの都市伝説にまで分析は及ぶが、着目したいのは副題にあるとおり「ネットで変容する『最も古いメディア』」だ。
 著者は、拡散も速いが内容が文章として残ることで批判的に検討できるので短命化しやすいのではないかと指摘する。一方、記録は長く保存されるのでいったん否定されたうわさが、それを知らない人によって新たな火種になる可能性もあるという。うわさがもたらす人のつながりにも焦点を当て、うわさは「事実性を超えた物語」との視点が新鮮だ。
    ◇
 (中公新書・907円)


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