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加工食品には秘密がある [著]メラニー・ウォーナー

[評者]島田雅彦(作家・法政大学教授)

[掲載]2014年06月22日

[ジャンル]経済

表紙画像

■意外な原料・添加物、無意識に

 資本主義の原理に忠実たろうとすれば、安価に大量生産でき、保存が利き、均一の味と香りが保てる食品が最も有利である。その結果、食は自然から離れ、完全な工業製品になった。その流れを決定づけたのは十九世紀末以降のいくつかの発明、たとえば、コカ・コーラのような飲料、プロセスチーズ、シリアルなどである。
 身体によい幻想を与えるビタミンのほとんどは中国製で、しかもビタミンDの原料は羊毛についている獣脂であるとか、冷凍食品の肉の中には文字通り「水増し」されているものもあるとか、食品業界の知られざるハイテクを知るにつけ、自分がこれまでに無意識に取り込んできた添加物の多さに唖然(あぜん)とした。
 加工食品は滅多(めった)なことでは腐らない。私たちは日々の食生活を通じ、保存料や防腐剤をふんだんに取り込んでいるので、死んでも腐らない……というのが冗談にならないほど、加工食品は謎の物質で調整されている。
     ◇
 楡井浩一訳、草思社・1998円


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