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構造デザインマップ 東京 [編著]構造デザインマップ編集委員会

[評者]隈研吾(建築家・東京大学教授)

[掲載]2014年08月03日

[ジャンル]アート・ファッション・芸能

表紙画像

■すごい仕掛けがいっぱい

 建築って、どういう仕組みで、地震でも倒れないのか。なぜあんな高くて細いビルが地震で揺れても壊れないのか。市民にとっても、興味深いテーマである。とくに、地震、津波が他人事(ひとごと)ではない今日この頃、建築のデザインより、構造の方が熱いテーマになってもおかしくない。
 その切実な視点で東京を見渡すと、この都市はこんなに多様でクリエイティブな構造的工夫に満ちあふれていたことを再確認できた。さすが地震国、さすが日本人、数学に強い! 見えない裏方の部分でも必死にがんばって、すごい仕掛けがいっぱいである。東京タワーとスカイツリーの構造哲学の比較もおもしろい。次第にコンピューターの計算の裏に哲学があることがわかってくる。地震や津波とたたかうためには哲学がいるのだ。自然とは何か、災害とは何か、人とは何かという哲学が。建築構造の世界は大災害とコンピューターのせいでデザイン以上に大転換していて、これから大注目である。
    ◇
 総合資格・2052円

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