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片岡義男・鴻巣友季子「翻訳問答—英語と日本語」書評 行ったり来たり 互いの訳を比べてみると

評者: 朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2014年08月17日
翻訳問答 1 英語と日本語行ったり来たり 著者:片岡 義男 出版社:左右社 ジャンル:小説・文学

ISBN: 9784865281002
発売⽇:
サイズ: 19cm/221p

翻訳問答——英語と日本語 行ったり来たり [著]片岡義男・鴻巣友季子

 英語を日本語に「翻訳」するとはどういうことなのか。「あてはめ主義」で行くとクールに語る作家・片岡と、「文体が降りてくる」という憑依(ひょうい)体質の職人・鴻巣が、名高い小説の一場面を競訳し、互いの訳について話し合う。オースティンやチャンドラー、サリンジャーにE・ブロンテ……小説のタイプはさまざま。原作者の意図だけでなく、小説の語りそのものをくみ取り、言葉を選んでいく結果の、異なる二つの日本語文。細部にわたるやりとりは「翻訳」の本質に踏み込む。落語の「こんにゃく問答」を想起させる表題にもにんまりするが、片岡による英語題は「Lost and Found in Translation」。さて、これを日本語訳すれば?
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 左右社・1836円