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上橋菜穂子「明日は、いずこの空の下」書評 数々の経験、ユーモア交じりに

評者: 朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2014年09月28日
明日は、いずこの空の下 著者:上橋 菜穂子 出版社:講談社 ジャンル:エッセイ・自伝・ノンフィクション

ISBN: 9784062190886
発売⽇: 2014/09/02
サイズ: 20cm/209p

明日は、いずこの空の下 [著]上橋菜穂子

 『精霊の守り人』を始めとする「守り人」シリーズや『獣の奏者』で知られ、今春、国際アンデルセン賞作家賞を受賞した著者によるエッセー。高校時代、大好きな『グリーン・ノウの子どもたち』の作者に手紙を書き、物語の舞台となったケンブリッジ近郊のマナーハウスを訪れ、そこでファンタジーがすくい上げるもののとてつもない大きさや深さを感じたときの思いや、文化人類学のフィールドワークで訪れたオーストラリアで、アボリジニーと食べたカンガルーのしっぽの味、キャンプ場で自分がどこにいるのかわからなくなるほどの闇に包まれた夜のことなど、作品を育てる糧になったのでは、と思えるような経験の数々がユーモアを交えてつづられる。
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 講談社・1404円