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四人組がいた。 [著]高村薫

[評者]

[掲載]2014年10月05日

[ジャンル]文芸

表紙画像

 限界集落の郵便局兼集会所で、元村長、元助役、郵便局長、キクエ小母(おば)さんの老人4人が毎日ヒマをつぶしている。地域のことは何でもお見通し。謎を残して終わった「気球の里」計画、レストランに化けたラブホテル、青白く光る豚……。アオムシを乗せたキャベツは逆襲し、若返りの泉でヤマメがしゃべる。老人ばかりの村にタヌキのアイドルグループが誕生し、獣や鳥が人間と肩を並べる。12の短編連作は、矛盾がしわ寄せされた地方から現代の日本を皮肉に撃つ、というふうに始まって、次第にその異界ぶりをあらわにしていく。著者のこれまでの重厚な作品群を思うと、尋常でないはじけぶりに驚きつつ、くすくす笑いがこみ上げるのだ。
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 文芸春秋・1620円

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