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ビリービンとロシア絵本の黄金時代 [著]田中友子

[評者]

[掲載]2014年11月23日

[ジャンル]ノンフィクション・評伝

表紙画像

 ロシアの画家イワン・ビリービン(1876〜1942)は昔話「イワン王子と火の鳥と灰色オオカミ」などの絵本で知られる。その作品世界をカラー図版で紹介する。飾り罫(けい)に動植物や幾何学の文様を配した心配り。もの悲しい叙情をたたえた自然描写。渋く沈潜した色使い。日本人好みだ。当時のロシアでは4色刷りが多い中で、12色刷りを試みて、錦絵を思わせる。「サルタン王物語」の挿絵には葛飾北斎「冨嶽三十六景」を模した躍動的な波浪の表現が見られる。
 グラフィックデザインや舞台美術でも活躍した。エイゼンシュテイン監督の名画「イワン雷帝」では美術を担当する予定だったが、ドイツ軍に包囲されたレニングラードで餓死した。
    ◇
東京美術・2592円

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